悠久の時間を重ねた古寺

城泉寺(浄心寺)は鎌倉時代の初め(貞応年間:1222-1224)、久米氏によって建立されたと伝えられており、県内最古の木造建築であり、鎌倉仏教文化を代表する古寺です。境内には七重、九重、十三重の塔があり、七重、九重石塔が国指定重要文化財となっています。もともとの名前は浄心寺ですが、大正4年の仏像国宝指定の際、誤記されたことから「城泉寺」と呼ばれるようになりました。
七重石塔・九重石塔


軸部と笠石とは別材で構成する間層式層塔。各層の四面には阿弥陀仏の掘り出しが見られます。七重、九重塔は国指定重要文化財。
石塔群

境内東側に立ち、初重の銘により阿弥陀仏造立の翌年に建立されたものと推測されます。十三重塔は平成4年に建立されたレプリカです。
木造阿弥陀如来及両脇侍像
三尊とも檜材の寄木造で、中央に主尊の阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩を配します。観音菩薩像に墨書があり、寛喜元年(1229)の作であることがわかります。県内の鎌倉彫刻を代表する優れた仏像で、細部に中国宋の絵画の影響があるといわれており、慶派仏師の作と思われます。