球磨川流域に未曾有の被害をもたらした「令和2年7月豪雨災害」から2年が経過しました。豪雨災害の犠牲になられた方々をはじめ、被害を受けられたすべての方々に改めてお悔みとお見舞いを申し上げます。
災害復旧の着実な推進
本町では、幸いにも人的被害はありませんでしたが、道路や河川、農地、農業用施設、林道などに甚大な被害を受けました。復興に向け、災害復旧係を創設して事務の集中化を進めるなどして、緊急度の高い復旧工事から順に進めてきましたが、林道などの復旧工事には、まだまだ時間がかかります。引き続き、復旧工事を着実に進めていきます。
くま川鉄道とJR肥薩線の復旧推進
甚大な被害を受けた「くま川鉄道」が昨年11月、1年5カ月ぶりに湯前駅~肥後西村駅間の運行を再開。復旧復興を進める私たちにとって明るいニュースとなりました。
再開当日、記念イベントを開催した湯前駅前は久しぶりの賑わいを取り戻しました。全線運行再開に向け、大きく前進したものと思います。「くま川鉄道再生協議会」の副会長としての責務をしっかり果たし、全線復旧を確実に進めていきます。
JR肥薩線については、JR九州による概算復旧費の提示を契機として、ことし4月に再生協議会が設置されました。私も会員として参加しています。全線の復旧に向けて、現在の国の財政支援制度ではJR九州や地元自治体の負担が大きいこと、被災前でも年間9億円の赤字という運行収支の問題など、大きな課題があります。まずは再生協議会が一丸となり、鉄道の復旧と持続的な運行に不可欠である国の強力な財政支援を要望していくことが重要と考えます。
防災対策の強化
豪雨災害の経験などを踏まえ、防災対策を強化。地域防災力の中核として重要な役割を担う消防団員の士気向上や消防団活動への理解促進のため、報酬などの処遇改善を図るとともに、老朽化した消防ポンプと積載車を更新します。
大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限に図れるよう、昨年度にB&G財団から補助を受けて油圧ショベルなどを配備しました。配備した機材の操作研修はもちろん、防災士の養成も計画しています。
集中豪雨や台風接近などが予想できる場合には早期の避難指示を発令するとともに、今秋には地区の自主防災組織などを主体とした総合防災訓練を実施します。
新たに、地域活性化起業人を活用した「スポーツで学ぶ防災体験」を実施するとともに、住宅の耐震性向上のため耐震改修工事費だけでなく耐震診断費も補助対象としました。
全世帯に配布しているIP告知放送端末が老朽化しているうえに生産が終了しているため、新たな防災情報通信システムを本年度内に整備します。翌年度からは新たに全世帯に配布する防災ラジオと屋外スピーカーを利用し、防災情報などをお知らせします。
これまで公設公営で運用してきたインターネット接続サービスについては、高度情報通信の進化への対応や災害時の通信障害などの早期復旧が可能となるよう、翌年度からの民間サービス移行に向けた取組みを進めております。
空振りを恐れず
最後に、大雨への警戒が特に必要な時期を迎えました。本町では、町民の皆さんの生命・財産を守るため、空振りを恐れず早め早めに避難情報を発令します。ご理解とご協力をよろしくお願いします。